人生の決定論とは、自由意志の意味を否定する考え方といえるでしょう。

 

その考え方の真意とは何か、非決定論である確率論との違いは何か、解説していきます。

 

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人生の決定論の意味とは?

 

そもそも、決定論とはどういう意味なのでしょうか?

 

決定論とは、すべての出来事は行動する前からすでに決定しているという考え方です。

 

これを人生に置き換えると、あなたは物事を自由意志で決めているはずなのに、実は最初から決定していた内容を実行しているだけに過ぎないのです。

 

「そんなバカな」と思うのは、当然の感性だと思います。

 

しかし、こう考えると人生の決定論に納得するかもしれません。

 

例えば、「肌の色で人種差別をすることは間違っていると思いますか?」と尋ねられたら、きっと「はい」と答えるはずです。

 

一見すると、これは自由意志であり、あなたの考えのように思えます。

 

ですが、ほとんどの日本人は肌の色で人種差別された経験はないはずです。

 

では、どうして人種差別がいけないと思ったのでしょうか?

 

それは、ニュースや学校の授業で情報を得たからです。それと同時に「人種差別はいけません」と教えられているはずです。

 

また、世論も人種差別を反対する声のほうが圧倒的であり、これに逆らうと社会的地位が危うくなるでしょう。

 

つまり、あなたが「人種差別はいけない」と答えたのは、世論が作り出した環境によってすでに決定していたといえるのではないでしょうか。

 

そう考えると、人生で起こるすべての出来事は初めから決定している、と捉えることができるのです。

 

確率論の意味とは?

 

反対に、「人生は確率論である」と考える人もいます。

 

人生の確率論とは、未来は確率によって支配されているという考え方です。

 

確率論の意味のほうが、あなたにとっては馴染みのある人生だと思います。

 

つまり、人生には色々な可能性の未来があり、それらは確率によって変化していきます。

 

あなたが運命の人と出会えたのも、その後に家庭を持つことになったのも、すべては確率によって引き寄せられた1つの可能性というわけです。

 

「もしかすると、あの時にあの道を進まなければ、本当は違った人生が待っていたのかもしれない……」と考えるのが確率論となります。

 

確かに、確率論の意味のほうが分かりやすいですし、やっぱり信頼感がありますよね。

 

どうして信頼感があるのかというと、あなたが人生でそれを経験しているからです。

 

恋愛が成就したり、就職することができたのは、あなたが努力した結果です。

 

その努力こそが、確率の中にある理想の道を引き寄せたといえるでしょう。

 

もし、これが決定論だった場合、あなたの未来は努力も含めて初めから決まっていたことになります。

 

こうなると、決定論は倫理(道徳)を否定しているともいえるでしょう。

 

決定論は自由意志や倫理を否定している

 

さきほども説明した通り、決定論は自由意志を完全に否定しています。

 

『人生の中で起こるあらゆることは、初めから決定していた』となると、あなたの恋心さえも決められた感情であることを意味してしまうのです。

 

そのため、決定論は倫理を否定する考え方だと、非決定論を唱える人々から非難されているのです。

 

確かに、自分の心に湧き出た感情さえも操作されていると決めつけられるのは、あまりいい気分ではありませんね。

 

決定論が真実かを考えるより、確率論のほうが道徳的には理想とすべき生き方であることは間違いないでしょう。

 

そうでなければ、「ああ、今日はやる気でない。これは決定論からくる感情だから仕方がないなー」と怠ける口実になってしまいます。

 

では、決定論は間違った考え方なのでしょうか?

 

決定論と確率論の違いを知った今、どちらの考え方を支持すべきなのでしょうか?

 

決定論、確率論の違いからどちらが正しいのかをひも解く

 

決定論と確率論の違いは分かったと思います。

 

では、どちらの考え方が正しいのでしょうか? どちらの生き方を支持すればいいのでしょうか?

 

その答えは、あなたの生き方に合ったものを選ぶが正解となります。

 

あなたが選んだ道は『すでに決定されていた』とも言えますし、『可能性の未来から1つの道を選んだ』とも言えるからです。

 

決定論と確率論は正反対のように見えますが、これは表裏一体だと考えることもできます。

 

つまり、『今考えると、運命の人と出会ったのは必然だった』と考えるか、『偶然の出会いが僕の人生を変えた』と考えるかの違いだからです。

 

あなたが現実主義者なら必然を選べばいいですし、あなたがロマンティストなら偶然を選ぶべきです。

 

この論点は、こんな些細な違いだといえます。

 

そして、どちらの考えであっても、これから起こる出来事の内容に変わりはありません。

 

その出来事に真摯に対応することができれば、あなたは何の迷いもなく人生を歩んで行けるでしょう。

 

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まとめ

人生の決定論とは、すべての出来事は初めから決定していることを意味する考え方です。

 

一方、人生の確率論とは、未来は確率によって支配されていることを意味する考え方です。

 

どちらが正しいというわけではありません。この問題は、現実主義者とロマンティストで考え方が違うのと同じことです。

 

大切なのは、現実で起こっている出来事とどう向き合うかだと思います。

 

それなら、人生の困難を乗り越える方法を真剣に考えたほうが有意義かもしれません▼

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ただし、人生には運の要素が必要なときがあるのは事実です。

 

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